不動産投資を始める前に
この記事のポイント
家賃収入は入ってくる一方で、空室、修繕、税金といった出ていくお金があります。始める前に見ておくべき数字と、最初の一件でつまずきやすい点を整理しました。
不動産投資のご相談が増えています。老後の備えや副収入としてお考えの方が多いのですが、始める前に数字の見方を知っておくかどうかで、結果はかなり変わります。
収益の二つの形
不動産で得られる利益は大きく二つです。
家賃収入(インカムゲイン)は、毎月継続して入ってくるお金です。安定していますが、空室の間はゼロになります。
売却益(キャピタルゲイン)は、買ったときより高く売れた場合の差額です。かつてのような値上がり益を前提にした投資は難しく、現在は家賃収入を軸に考えるのが一般的です。
表面利回りに注意
物件情報に載っている利回りは、たいてい「表面利回り」です。年間の家賃収入を物件価格で割っただけの数字で、経費が引かれていません。
実際に手元に残るお金を見るには、次の支出を差し引く必要があります。
- 管理費と修繕積立金(区分マンションの場合)
- 管理会社への委託料(家賃の5%前後)
- 固定資産税・都市計画税
- 火災保険料
- 退去のたびの原状回復費と募集費用
- ローンを組んでいれば元利返済
これらを引いた実質利回りは、表面利回りより数%下がるのが普通です。表面利回りの高さだけで判断すると、手元に残らないということが起こります。
空室と修繕を見込んでおく
満室が続く前提で計画を立てると、たいてい行き詰まります。
年間の想定家賃収入から1〜2カ月分は空室として見ておく。給湯器やエアコンは10年前後で交換が必要になり、1台あたり10万円単位の出費になる。こうした支出を織り込んだうえで収支が回るかを確認してください。
中古物件の場合は、購入前に建物の状態と、マンションであれば修繕積立金の積み立て状況も見ておきたいところです。積立金が不足している建物は、後から一時金を求められることがあります。
物件選びは立地から
設備や内装は後から変えられますが、立地は変えられません。
駅からの距離、周辺の賃貸需要、近くに大学や工場など人の集まる施設があるか。そして、その需要が10年後も続きそうかどうか。単身者向けの部屋を借りる人がいる街なのか、ファミリーが多い街なのかによって、選ぶべき間取りも変わります。
名古屋市内であれば、区によって借り手の層がはっきり分かれます。このあたりは実際の募集状況を見ないとわからない部分なので、お気軽にお尋ねください。
税金と確定申告
家賃収入は不動産所得として確定申告が必要です。減価償却費や経費を計上できるため、帳簿上の所得は家賃収入より小さくなります。
一方で、売却時には譲渡所得税がかかり、保有期間が5年以下か超えるかで税率が大きく変わります。出口まで含めた計画が必要なのはこのためです。詳しい部分は税理士にご相談いただくのが確実です。
最初の一件は慎重に
不動産投資は、買った時点でほぼ結果が決まります。運用でどうにかできる幅は、思っているより狭いです。
だからこそ、最初の一件は納得できるまで数字を確認してから進めてください。私たちも、収支が厳しいと思う物件は正直にそうお伝えしています。